先月、期せずして三種の神器の内の二つが祀ってある場所を訪れた勢いで、鹿児島でゴキブリを退治した帰りにお伊勢参りをしてきました。
昨年に式年遷宮を迎えた、日頃世間では「伊勢神宮」と呼ばれている神社の正式名称は、「神宮」です。
それは、神社の中の神社、神社の総本山、NO1神社、唯一無二のThe神社、という意味で、ちょうどゴルフの数あるオープン選手権(プロアマを問わず、全ての人に開かれた大会)の内、一番歴史のある全英オープン選手権の正式名称が「The Open Championship」であるのと同じような意味合いです。
その起こりは、歴代天皇が常にそばに置くようにとされていた三種の神器を第十代崇神天皇が、政治という穢れ(けがれ)を行なう場所に置くことは好ましくないとして皇居より移し、その後ふさわしき場所を探させ垂仁天皇の御世に伊勢の五十鈴川のほとりに天照大御神(あまてらすおおみかみ)が神霊を込めたとされる八咫鏡(やたのかがみ)を御神体としてお祀りしたことに始まっています。
今から2000年も前のことです。
皇室の氏神である天照大御神を祀る神宮はかつては天皇以外はお参りする事ができませんでしたが、その後は日本全体の鎮守として位置づけられ、江戸時代には日本の総人口の1割を超える人々が訪れる年もあり、江戸からだと片道15日かけても「一生に一度はお参りしたい」と誰もが思う信仰の対象でした。
昨年は、新しい本殿を作って御神体を移動させる20年に一度の式年遷宮で注目されましたが、実は遷宮の翌年を「おかげ年」といって特別に御利益がある年とされています。
そんな神宮に前回の式年遷宮依頼20年ぶりにお参りをしてきましたが、神聖な御神体を祀るにふさわしい、水と緑に囲まれた境内は神々しく張り詰めた空気に満たされていて、私たち日本人にとって共通の大切な場所であることを改めて感じました。
これで日頃の穢れが少しは洗い清められたかもしれません。