電子カルテのジレンマ

北海道で開業した二十数年前から、電子カルテなるものを使っています。
選択した理由は、細かな点数計算などをすべて自動でやってくれるという便利さ、
カルテを、「探す」「運ぶ」「しまう」という手間が省ける、
それに伴い「カルテが行方不明にならない」という安全保障上の大きなメリットがあります。
それに加えて、悪筆な私の場合には「記録した文字が、確実に読める」という大きなメリットがあります。
カルテは医者の忘備録ではなく、全てのスタッフが共有する公文書なのですが、電子カルテになると
「これ、なんて書いてあるんですか?」という問い合わせが来ることが無くなります。
そして、何よりも悔しい「自分で書いた字が、自分でも読めない。」という事態が無くなります。

そんな便利な電子カルテなのですが、弱点もあります。
最大の弱点は、一生懸命カルテ入力をしていると
電子カルテばかり見ていて、患者さんを見ていない
とお𠮟りをうけてしまうことです。
紙カルテの頃にも、カルテにペンを走らせている時には、確実に患者さんお顔を見ていません。
入力スピードにおいては、「セット入力」「頻出用語の登録」などの機能を使っているので、
電子カルテの方が、患者さんを見ていない時間は短いはずなのですが、
「相手が機械である」という点が印象を悪くするようです。

この弱点を克服するために、事前の「WEB問診」というシステムを取り入れています。
事前にスマホなどで、お子さんの症状などを入力していただいて、来院前に伝えるシステムです。
このシステムを活用していただけると、事前にカルテ入力をする子ができるので、
患者さんに背中を向ける時間を圧倒的に減らすことが出来ます。
また「次に来る患者さんは、こんな患者さんだ」と予習ができるので、
検査、処置などの準備が先回りしてできるようになります。
そして、思春期の女子には評判の悪い
矢継ぎ早に、根掘り葉掘り訊く
ということが無くなります。

なので、事前の「WEB問診」をもっとご利用いただきたいのですが、なかなか伸びていません。
確かに、事前に入力するのは手間なのですが、
診療所に行ってから質問されて、背中を向けられて入力するのを待っても、
同じだけ時間はかかります。
そのかかる時間は、医療機関内でかける方が望ましくはないと思うのですが、
何とか普及していただきたいものです。

 

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